はじめに
ご覧いただきありがとうございます。こちらは自作キーボードキット"Ambi-GL"のビルドガイドです。Ambi-GLはサリチル酸(@Salicylic_acid3)さんが設計された”GL516ケース"に対応したキーボードとなっています。このため、当ビルドガイドでは内容物の確認と推奨する作成順序および注意点などを記載、細かい部分はGL516基盤の汎用ビルドガイドを参照する形でまとめていきたいと思います。
更新履歴
2022/4/1 初版公開
0.組み立ての前に
- 本自作キーボードははんだごてを使用して制作します。はんだごての小手先は高温になり、やけどや火事の原因になりかねませんので取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
- 作成の前に、当ビルドガイドに一通り目を通していただき、必要な物が充足しているかや作業順序についてお確かめください。
- 作成には2時間~4時間ほど掛かります。時間に余裕をもってお取り掛かりください。
1.キット内容の確認
1-1.キットに含まれるもの
◆PCBキット
PCB 1個
トッププレート 1個
ダイオード SOD123 1N4148 51個(予備1個含む)
ピンソケット FSS-41035-13 2個
ホットスワップソケット 51個(予備1個含む)
LED SK6812MINI-E 17個(予備1個含む)
◆【オプション】エンコーダセット
ロータリエンコーダ PEC12R-4222F-20024 2個
アルミニウムノブ ブラック 直径30mm 2個()
1-2.キットに含まれないもの
以下はキットに含まれていない部品となります。遊舎工房さんやTALP KEYBOARDさんなどの自作キーボードを取り扱うショップで購入可能です。またキースイッチやキーキャップなどはAmazonでも買えるものも増えてきました。
【部品に関するもの】
お好みのキースイッチ 50個(Cherry MX互換のもの)※LED部分はクリアハウジングのものを推奨します
お好みのキーキャップ 50個
ProMicro 1個
MicroUSBケーブル 1個
パネルマウントケーブル 1個
リセットスイッチ 1個(一度書き込み後はほぼ使用しないため無くてもよいです)
【組み立て工具等】
マスキングテープ
はんだごて ※温度調節可能なものがベターです
はんだ ※鉛フリーではないものを推奨します
はんだこて台
はんだ吸い取り線 ※はんだ付けを失敗した場合にはんだを取り除くのに使用します
ニッパー ※ピンソケットのはみ出た部分をカットするために使用します
ピンセット ※ホットスワップソケットのはんだ付けで使用します
ドライバー ※M2ねじの規格に合うもの
六角レンチまたはドライバー ※オプションセットに付属するエンコーダのノブを締めるものです。H2.5サイズです。100均で六角レンチセットなどを買えばおそらく大丈夫です。
2.組み立て
2-1.汎用ビルドガイドについて
ありがたいことに、GL516互換PCBのためにサリチル酸さんが汎用ビルドガイドを公開されています。こちらにはPCBだけでなく、ケースやバックプレートなどの説明もあります。このため本ビルドガイドではこちらのビルドガイドを大いに参照しつつ、本キットに関する注意点や推奨する組み立て順序を記載することといたします。
2-2.組み立ての注意点について
- ダイオードの向きに注意する
基盤の左右でダイオードの向きが反転しています。(5連ダイオード除く)実装する際にダイオードの向きを間違えないようご注意ください。
また、付属するダイオードの向きが判別しずらいのですが、スマホのライトを当てるなどして判別をお願いします。
- 事前に、ロータリーエンコーダとスイッチいずれにするかを決定する
→実は左右のロータリーエンコーダ部分はホットスワップソケットも実装できます。ただしエンコーダを取り付ける場合は、エンコーダにはんだ付けを行う必要がありますので、ホットスワップソケットは取り付けなくても構いません。 - ファームウェアの書き込み
→Ambi-GLはRemapでのファームウェア書き込みに対応済みとなっています。ファームウェア書き込みはRemapのカタログから行います。カタログでは”ambi”と入れて検索して探してみてください。 - (試作基板をお持ちの方に向け)ダイオードの取り付け向きについて
→試作基板と頒布用でダイオードの取り付けを裏面に変更した箇所があります。実装時に混乱するかもしれないため写真をつけておきます
2-3.組み立て順序について
それでは組み立て順序です。Ambi-GLは下記の順序での組み立てを推奨いたします。なお、ここからGL516互換PCB共通ビルドガイドのリンクがありますので、具体的な作業内容はリンクをご参照ください。
①LEDのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
②ダイオードのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
③ホットスワップソケットのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
④ピンソケットのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑤ピンヘッダのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑥リセットスイッチのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑦ファームウェア書き込み
🖥ファームウェアの書き込み|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
◆ポイント
LEDを取り付けている場合は、書き込みが完了するとLEDが赤色に点灯します。もし点灯しない場合、下記について順に確認してみてください。なお、シリアル接続されていますので、一つのLEDが点灯しない場合は後続のLEDも点灯しないことになります。
・はんだの量が足りていない、または多すぎて隣と接合している → はんだごてやはんだ吸い取り線を使いはんだの量を調整してください。
・LEDの取り付け向きが誤っている。 → はんだ吸い取り線を使い、慎重にはんだを除去してから向きを正しく取り付け直し、はんだ付けしてください
⑧ロータリーエンコーダのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑨スイッチの取り付け
🪛スイッチとスタビライザーの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
◆ポイント
スイッチの取り付けが終わったら、テストをしてみましょう。
🖥ファームウェアの書き込み|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
TestMatrixModeで色が変わらない場合はキーが認識されていないことになります。だいたいは以下のパターンに該当しますので上から順に確認してみてください。
・キースイッチのピンが曲がっている → 一度キースイッチを抜きピンを真っ直ぐに直してから差し込み直してください
・キースイッチの不良 → 別のキースイッチで入力できるかを確認してみてください
・ダイオードやホットスワップソケットのはんだづけがうまくできていない → はんだを少し足して(はんだづけして)動作確認してみてください
・ダイオードの向きが反対 → ダイオードのはんだをはんだ吸い取り線で除去し、予備のダイオードを正しい向きに取り付け、はんだ付けしてください
⑨ケースへの取り付け
🪛ケースへの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑩キーキャップの装着
🪛ケースへの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
◆ポイント
エンコーダのノブの装着方法は下記の通りです。
キーキャップ、ノブの装着が終われば完成です。
⑪キーマップ変更
Ambi-GLはREMAPへ対応していますので、REMAPで簡単にキーマッピングの変更を行うことができます。詳細な変更方法は割愛させていただきますが、自分にとって最高のキーマップを考案していきましょう。
なお、初期キーマップは下記の通りの配列となっています。
⑫LEDライティングについて
初期のキーマップではLayer2にLED関係のキーをアサインしています。また左エンコーダに色相の変化を割り当てていますので是非くるくる回して色を変化させてみてください。
またAmbi-GLは中央キーがLEDインジケータとなっています。レイヤー1が緑赤、レイヤー2が青、レイヤー3が緑です。またCAPSLOCKが有効な状態では黄に点灯します。
おわりに
Ambi-GLのビルドガイドは以上です。大変お疲れ様でした!
クールな外見に、打鍵しやすいレイアウト、便利な2つのエンコーダと想像以上に完成度が高いキーボードになったなという印象です。中央の6キーに何をアサインしますか?ぜひいろいろなキーマップを試してご自身の最高の1台に仕上げて楽しんでいただけたら幸いです。
最後に、気が向いた方は、完成した"Ambi-GL"をTwiiterで見せていただけると、作者として大変うれしく思います。(ハッシュタグは#AmbiGLでお願いします!)