”Tenalice-ambidextrous Ver2”向けアクリル積層ケースについて

はじめに

本記事は、"Tenalice-ambidextrous(テナリス-アンビデクストラス) Ver2”向けに設計されたとても素敵なアクリル積層ケースをご紹介する記事です。ケースの特徴や使用感について私の感想を記してまいります。ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。

"Tenalice-ambidextrous Ver2"のご紹介についてはこちらの記事で書いていますのであわせてご覧ください。

cerbekos00.hatenablog.com

1.概要

本記事をご覧のみなさんはすでにご存じかもしれませんが、なんと”キムラシンショクバ@zettai3_reido”さんより、"ambi"向けのアクリル積層ケースのICが今後予定されています!

こちらのケースが生まれた背景や、お送りいただいた試作ケースの簡単なビルドログ、使用感についてご紹介できればと思います。

2.背景

ことのはじまりはアクリル積層ケースを作成した記事を投稿したことでした。cerbekos00.hatenablog.com

私が設計したアクリル積層ケースについてご紹介をしてみたという記事なのですが、これをご覧になられた”キムラシンショクバ”さんよりご連絡いただきました。"キムラ"さんといえばアクリル積層ケースというイメージをお持ちの方も多いと思います。

上記の記事でも触れていますが"Tenalice-ambidextrous"のアクリル積層ケースも作成されています。

キムラ”さんと”ambi”やアクリル積層ケースについてのやり取りをしているうち、「アクリル積層ケースを使ってみたいけど、設計面や価格面で個人で行うことに躊躇している人が多いのが現状だと思う。そんな方々に向けて、アクリル積層ケースのデータ・写真を公開することでケース設計の手助けをしたり、ケース販売や製作代行などを行ってアクリル積層ケースを気軽に手に入れやすい環境をつくりたい。」という想いがあること、そして「”ambi”でそれを試してみたい。」という構想があることをお聞きしました。
私は迷うことなく賛成しました。心から素敵なことだと感じましたし、私自身、”ろか@rocasfero”さんが設計・公開されたVisionのアクリルケースデータがきっかけで自作キーボードの設計をはじめ、”Tenalice”が生まれたという背景をもっていますので、そうした公開データが与える影響の偉大さを身に染みて分かっていました。また、自分の設計したキーボードでそうした挑戦をしてみたいと言っていただけたことに喜びを隠せませんでした。

こうした経緯のもと、Ver2のテーマであるLEDをテーマに、”キムラ”さんがアクリル積層ケースを設計、私がPCBを設計するという構図が出来上がりました。

3.ケースの特徴

ケース設計の深いところに関して私では役不足ですが、幸いにもここに試作ケースとそれを撮った写真がありますので、それをもとに見ていきましょう。

ケース全体は少し丸みを帯びた形でキュートな印象を受けます。またケースだけでなく、ケースに合わせて設計・製造されたパームレストもあります。

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パームレストには”キムラ”さんのBOOTHショップ"studio 絶"のロゴが彫刻されています。

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側面からみるとアクリルの層があり、スペーサーとネジで固定されていることがわかります。

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次に背面を見てみます。背面は表面に比べ少し複雑な形をしています。

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今回はお試しで背面彫刻を入れているとのこと。"Ambi"のロゴもあります。f:id:Cerbekos00:20220110081145j:plain

PCBと並べてみたところ。

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それでは分解していきます。プレート上面を外すとクリア(すりガラスのような)プレートとアルミニウムのスイッチプレートが登場。

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ここで1点注意があります。実は一番下のトッププレート(ブラック)は正確には”一番上に来る”プレートではありません。本来のトッププレートの構成は下記の写真のような3枚になります。(試作品について、本来はクリアとブラックがひとつずつ出来上がる予定だったそうです。ですがアクリル加工過程でミスがあり、結果ブラックはトッププレートが1枚とのこと)

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アルミニウムプレートはずっしりしていて重厚感があります。

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アルミニウムプレートを外すとミドルプレートとボトムプレートが顔を出します。

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下位レイヤは部品点数が多くなっており、分解するとこのようになります。(これでもチルト用のパーツは分解していませんが)

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すべてのアクリルはこの長いスペーサーで留められます。

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クリアケースだけで組み上げた写真がこちらです。う、美しい...。

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光の加減でプレートが一部ゴールドに見えます。真鍮プレートがオプションにラインナップされるかどうかはわかりませんが、こんな感じでしょうか。

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積層具合がよくわかるよう横からのアングルも。

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試作ケースでは一部にクレーズ(ひび)が入ってしまったとのこと。クリアのアクリル板の場合発生しやすいそうで、対策としてアクリル素材を変えてみるつもりだとか。使用する素材で変わるというのも奥が深い世界です。

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リストレストも分解してみます。6枚積層は本体の高さより少し低くなる程度の高さです。

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クリアのアクリルパーツを最上位にしたリストレストがこちら。

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あなたはブラックとクリア、どちらがお好み?

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スイッチを取り付けていきます。今回使用するのは"NK_ SILK SERIES Olivia"です。リニア軸で薄いピンクのクリアハウジングがLEDに映えると思い、ブラックフライデーで購入。36個×2個で入り28.80ドルでした。

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すべて取り付けるとこんな感じ。

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アクリルを取り付けてほぼ完成です。

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パソコンに接続してライティングを見てみます。おお…!アンダーグローが眩い。

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パームレストも置いてみます。手前側までLEDの光が移ってきています。

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背面はこんな感じ。

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キーキャップを取り付けていきます。キーキャップはちょうど数日前に届いた”Domikey X iNKY Silent Forest”です。

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GBではオールインしたので、日本語付きトリプルショットか英字のみのダブルショットが選べます。

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今回は日本語入りにしました。

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中央キーのみキリン舎さんの”バタフライアルチザンキーキャップ”に入れ替え、LEDを点灯させてみます。

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まさに私の思い描く理想的なアクリルとLEDのコラボレーションです。パームレストを取り付けてもLEDが回っています。

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ブラックプレートのイメージも撮ってみました。中央キーは怪しげな目が光る”Hot Keys Project Specter Key Cap(Emerald Green)”です。

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細かいところですが、中央キーのバックライトはブラックのほうが好みです。クリアのように中央キーの”周り”に色が移らないため、中央キーにのみ光が浮き出てくるような感覚が良いです。

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サイドから。実際にはブラックのトッププレートも積層になります。

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以上、途中からビルドログのような感じになりましたが、ケースの特徴は以上です。

4.ケースの使用感

続いて、ケースの使用感についてです。

まず話しておきたいのは、ケース自体の感触です。クリア、ブラックともにさらさらとしたマット素材となっていて、指紋もつかず手触りがとても良いです。私はこれまで光沢のある透け透けクリア派だったのですが、指紋やほこりに悩まされ続けてきました。今回でつるさらマット派に鞍替えします。

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続いて重量です。”Ambi”自体多少大きめのサイズのキーボードですが、アクリルだけだとそこまで重量はありません。しかし本キーボードはアルミニウムプレートのおかげでかなりの重量があります。スケールがなく計測はできなかったのですが、指先だけで持ち上げるのはなかなか辛い程度の重さです。

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そして打鍵感と打鍵音です。これもアルミニウムプレートがいい仕事をしている様子で、心地よい打鍵が楽しめます。アクリルプレートと比べ高音ではっきりとした音の印象を受けます…と説明が難しいので打鍵動画を撮ってみました。

最後にパームレストの使用感についてです。個人的に久々にパームレストを使ってみたのですが、やはりあると手が休まります。またキーボードと同様にアクリル自体がさらさらとした感触で手触りが良いです。あと、とにかくこの”絶”がクールで、それだけでこのパームレストを使いたくなります。

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またキーボード本体の光を透過して光っているようにみえるのも不思議な感覚で、ずっと眺めていられます。

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蛇足ですが、私はAlice教に入信したことでキーボードにぴったり合うパームレストが見つけられず、使わない期間が長くなった結果パームレストなしでも大丈夫な体になっていました。(以前はパームレストがないとダメなほうでした)今回で無事復活!!

おわりに

キムラシンショクバ”さんのアクリルケースはいかがだったでしょうか。見た目の美しさもさることながら、手触りの良さや打鍵感・打鍵音においても上質でとても満足度が高いキーボードだと感じました。今回の記事でその魅力が少しでも伝われば幸いです。

今後、設計データの公開が予定されている(であろう)”キムラシンショクバ”さんのBOOTHショップはこちらになります。

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また、アクリルケースを自作される方向けに、”Tenalice-ambidextrous”のPCBとダイオード、タクトスイッチのみがセットとなったPCBセットを用意しました。アクリルケースに溶け込みやすいホワイトとなっています。

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最後になりますが、予想通りアクリル積層ケースとLEDは相性抜群だと感じました。高級キーボードはアルミケースが多く、その打鍵音や打鍵感はとても素晴らしいものですが、アクリル積層ケースほどアンダーグローと相性が良いものはありません。そういう意味では、高級なアルミキーボードとは違った自作キーボードの魅力があるのがアクリル積層ケースの良いところだと思います。

見た目が奇抜なデザインの”ambi”が、見た目重視(?)のアクリル積層ケースと出会うのは必然だったのかもしれません。

それでは、良いキーボードライフを。

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