Ambi-GL V2ビルドガイド
はじめに
ご覧いただきありがとうございます。こちらは自作キーボードキット"Ambi-GL ver2"のビルドガイドです。
Ambi-GLはサリチル酸(@Salicylic_acid3)さんが設計された”GL516ケース"に対応したキーボードとなっていますので、GL516基盤の汎用ビルドガイドを参照する形でまとめております。
更新履歴
2022/11/27 初版公開
0.組み立ての前に
- 本自作キーボードははんだごてを使用して制作します。はんだごての小手先は高温になり、やけどや火事の原因になりかねませんので取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
- 作成の前に、当ビルドガイドに一通り目を通していただき、必要な物が充足しているかや作業順序についてお確かめください。
- 作成には数時間掛かります。時間に余裕をもってお取り掛かりください。
1.キット内容の確認
キットに含まれるもの
PCB 1個
トッププレート 1個
デコレーションプレート 1個
※デコレーションプレート用のM2ねじは付属しておりません
別途ご用意いただくもの
以下はキットに含まれていない部品となります。自作キーボードを取り扱うショップなどで購入可能です。
【キーボード部品】
お好みのキースイッチ 50個(Cherry MX互換のもの)
お好みのキーキャップ 50個
ホットスワップソケット 50個
ProMicro 1個(ProMicroに付属するピンヘッダーを使用します/コンスルーピンヘッダには対応していません)
ピンソケット(13P) 2個
MicroUSBケーブル 1個
パネルマウントケーブル 1個
リセットスイッチ 1個
LED SK6812MINI-E(オプション) 2個
OLED(オプション) 1個
aki27さんのトラックボールモジュール(オプション)1個
※トラックボールモジュールを取り付ける場合は次の部品も必要です
ピンソケット(5P) 1個 ※20Pをニッパーでカットしてもいいです
ピンヘッダ(5P) 1個 ※20Pをニッパーでカットしてもいいです
スペーサー(6mm) 4個 ※長さはピンソケットの太さに依存します
M2ねじ(4mm前後) 8個
【組み立て工具等】
マスキングテープ
はんだごて ※温度調節可能なものがベターです
はんだ ※鉛フリーではないものを推奨します
はんだこて台
はんだ吸い取り線 ※はんだ付けを失敗した場合にはんだを取り除くのに使用します
ニッパー ※ピンソケットのはみ出た部分をカットするために使用します
ピンセット ※ホットスワップソケットのはんだ付けで使用します
ドライバー ※M2ねじの規格に合うもの
2.組み立て
汎用ビルドガイドについて
GL516互換PCB向けに共通ビルドガイドが公開されています。こちらにはPCBだけでなく、ケースやバックプレートなどの説明もあります。
本AMBI-GLビルドガイドでは組み立て手順や注意事項を記載し、詳細手順は共通ビルドガイドを参照するという形式とさせていただきます。ただし、共通ビルドガイドにない手順は本ビルドガイドに詳細手順を記載します。
組み立て手順
Ambi-GLは下記の順序での組み立てを推奨いたします。なお、ここからGL516互換PCB共通ビルドガイドのリンクがありますので、具体的な作業内容はリンクをご参照ください。
①ホットスワップソケットのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
②ピンソケットのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
③ピンヘッダのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
④リセットスイッチのはんだ付け
🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑤ファームウェア書き込み
🖥ファームウェアの書き込み|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
REMAPでのファームウェア書き込みに対応しています。REMAPではファームウェア書き込みは”カタログ”から行います。カタログでは”ambi”と入れて検索してください。
中央がスイッチ用とトラックボール用の2種類用意していますので、適切なファームウェアを選択して書き込みをしてください。
なお、トラックボールモジュールへファームウェアを書き込んだ後、一度USBを抜き差ししてからトラックボールが動作するかを確認してください。
REMAPへ接続後、はじめにレイアウトをV2に変更してください。
⑥LEDのはんだ付け(オプション)
🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
◆ポイント
LEDの向きは、LEDのライトは表面を照らすように、GNDに切り欠けが来るようにしてください。
LEDを取り付けている場合は、書き込みが完了するとLEDが赤色に点灯します。もし点灯しない場合、下記について順に確認してみてください。なお、シリアル接続されていますので、一つのLEDが点灯しない場合は後続のLEDも点灯しないことになります。
・はんだの量が足りていない、または多すぎて隣と接合している → はんだごてやはんだ吸い取り線を使いはんだの量を調整してください。
・LEDの取り付け向きが誤っている。 → はんだ吸い取り線を使い、慎重にはんだを除去してから向きを正しく取り付け直し、はんだ付けしてください
⑦OLEDのはんだ付け(オプション)
OLEDのソケットをPCBの表面から差し込み、ソケットがななめにならないように注意してマスキングテープで固定します。その後、PCB裏面からはんだ付けします。
OLED本体は、付属しているピンを裏から差し込み、表面からはんだ付けします。はんだ付けの際、ピンを先ほどはんだ付けしたソケットに差し込むことで固定しやすくなります。OLEDが上下や前後にななめにならように注意してください。
⑧トラックボールモジュールのはんだ付け(オプション)
aki27(@aki27kbd)さんが設計された”トラックボールモジュール”をAmbi-GLへ搭載する手順です。
PCBの中央に5ピンのスルーホールがあるので、そちらへソケットを差し込み、マスキングテープで固定して、裏面からはんだ付けします。私の場合ソケットは、20Pのピンソケットを購入し、ニッパーでカットして用意しました。
トラックボールの基盤にはピンヘッダをはんだ付けします。(あらかじめトラックボール基板を名刺基板から切り取り、やすりがけしてバリをとってください)
ソケット同様、20Pのピンヘッダを購入し、ニッパーでカットして用意しました。
はんだ付けの後、トラックボール基板にボールケースを取り付け、裏に6mmのスペーサー(PCBソケットの太さによって変わります)を取り付け、ねじで固定します。
トラックボールモジュールのピンをPCBのソケットへ差し込み、裏からねじ留めします。
※ファームウェアはトラックボールモジュール用がありますのでREMAPから焼いてご使用ください
⑨スイッチの取り付け
🪛スイッチとスタビライザーの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
◆ポイント
スイッチの取り付けが終わったら、テストをしてみましょう。
🖥ファームウェアの書き込み|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
TestMatrixModeで色が変わらない場合はキーが認識されていないことになります。だいたいは以下のパターンに該当しますので上から順に確認してみてください。
・キースイッチのピンが曲がっている → 一度キースイッチを抜きピンを真っ直ぐに直してから差し込み直してください
・キースイッチの不良 → 別のキースイッチで入力できるかを確認してみてください
・ホットスワップソケットのはんだづけがうまくできていない → はんだを少し足して(はんだづけして)動作確認してみてください
⑩ケースへの取り付け
🪛ケースへの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑪キーキャップの装着
🪛ケースへの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド
⑫デコレーションプレートの取り付け
お好みでデコレーションプレートを取り付けましょう。
3.仕様
Ambi-GL Ver2のLEDやOLED、カスタムキーコードの仕様について記載します。
3-1.LEDアニメーション
次のアニメーションがセットされています。カッコの中はアニメーションの連番でOLEDに表示しています。
- STATIC_LIGHT(1)
- BREATHING(2~5)
- RAINBOW_MOOD(6~8)
- RAINBOW_SWIRL(9~14)
- STATIC_GRADIENT(15~24)
- TWINKLE(25~30)
- OFF(0)
LEDアニメーションはRGB関係のキーで変更できます。デフォルトキーマップではLayer2に”RGB_TOG(オン/オフ)”、”RGB_MOD(次のアニメーションへ)”、”RGB_RMOD(前のアニメーションへ)”を登録しています。
3-2.LEDインジケータ
レイヤー、CapsLock状態のときLEDがカッコの中の色に変わります。
- Layer1(赤)
- Layer2(青)
- Layer3(緑)
- CapsLock(黄)
3-3.OLED
OLEDにはAmbi-GLのロゴが表示されます。カスタムキーコード”OLED_SW”を押すことで次の情報に表示を切り替えることができます。もう一度押すとロゴへ戻ります。
デフォルトキーマップでは、”OLED_SW”はLayer2にあります。
表示される情報は次の通りです。
RGB:RGBアニメーション連番/Hue
なお、スイッチ用のファームウェアでは、トラックボールの状態表示に代えて、「NumLock/CapsLock/ScrollLockの状態」と「電源を入れてからの累計打鍵数 」を表示します。(書き込むファームウェアに依存します)
3-4.カスタムキーコード
cocotシリーズのように以下のカスタムキーコードが使用できます。デフォルトキーマップでは、これらはLayer2にあります。
再出ですが、OLEDの表示切替のカスタムキーコードもあります。”OLED_SW”です。
おわりに
Ambi-GLのビルドガイドは以上です。大変お疲れ様でした!
ぜひいろいろなキーマップを試してご自身の最高の1台に仕上げて楽しんでいただけたら幸いです。
最後に、気が向いた方は、完成した"Ambi-GL"をTwiiterで見せていただけると、作者として大変うれしく思います。(ハッシュタグは#AmbiGLでお願いします!)