はじめに
ご覧いただきありがとうございます。こちらは自作マクロパッド"Ambi10"のビルドガイドです。
更新履歴
2022/12/10 初版公開
0.組み立ての前に
- はんだごてを使用して制作します。はんだごての小手先は高温になり、やけどや火事の原因になりかねませんので取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
- 作成の前に、当ビルドガイドに一通り目を通していただき、必要な物が充足しているかや作業順序についてお確かめください。
- 作成には数時間掛かります。時間に余裕をもってお取り掛かりください。
1.ご用意いただくもの
Ambi10は主にBOOSTのおまけで基板を頒布させていただいております。Ambi10をマクロパッドとして使用するには、別途、次のものをご用意いただく必要があります。
【キーボード部品】
お好みのキースイッチ 13個(Cherry MX互換のもの)なお、Ambi10はプレートレスとなっているため装着するスイッチは5ピンのものを推奨します。
お好みのキーキャップ 13個
Seeed XIAO RP2040 1個
ダイオード(リードタイプ または SMDタイプ)
USBTypeCケーブル 1個
LED SK6812MINI-E(オプション) 13個
足となる部品(スペーサー10mm程度+M2ネジ、ゴム足、その他)
なお、専用の3Dプリントケースデータも頒布しています。ケースに入れて使用したいという方は次のリンクからダウンロードしたデータをJLCPCBの3D-Printingなどで注文することでケースを作成することもできます。
なお、3Dプリントケースを装着する場合でも、
M2ねじ 3~4mm 14個
スペーサー 10mm 7個
が必要ですのでご注意ください。
【組み立て工具等】
マスキングテープ
はんだごて ※温度調節可能なものがベターです
はんだ ※鉛フリーではないものを推奨します
はんだこて台
フラックス
はんだ吸い取り線 ※はんだ付けを失敗した場合にはんだを取り除くのに使用します
ニッパー ※ピンソケットのはみ出た部分をカットするために使用します
ピンセット ※ホットスワップソケットのはんだ付けで使用します
ドライバー ※M2ねじの規格に合うもの
2.組み立て
Ambi10は以下の手順で組み立てることを推奨いたします。順序を間違えるとリカバリーが難しい場合がありますので、組み立て前に一通り手順をご確認ください。
①ファームウェアの書き込み
XIAO RP2040へファームウェアを書き込みます。ファームウェアはREMAPからダウンロードできます。
REMAPの”カタログ”で”ambi”と入れて検索し、ファームウェア(uf2ファイル)をダウンロードしてください。
XIAO RP2040の”BOOT”ボタンを押しながらUSBを接続すると、XIAO RP2040のドライブが表示されます。ここへダウンロードしたuf2ファイルをコピー(ドラッグ&ドロップ)します。すると自動的にリブートされ、ファームウェアが書き込まれます。
ファームウェアの書き込みは以上で終了です。
②LEDのはんだ付け
LEDには取り付ける向きがあり、”SK6812MINI-E”は”GND"にナナメの切り込みが入っています。
このナナメがどこに位置しているかによって正しい向きかどうかを判断します。またLEDの接続の仕組みとしてシリアル接続となっています。”4 DIN”(データイン)からLEDの信号を受け取り、"2 DOUT"(データアウト)へ信号を渡しています。
Ambi10のLEDの正しい向きは下記のとおりです。
LEDは熱に弱いため、はんだごての温度を260°へ設定し、すべてのLEDをはんだ付けします。フラックスを事前に塗ってからはんだ付けするとはんだが乗りやすいです。
③ダイオードのはんだ付け
ダイオードにも向きがあります。三角の頂点に接するラインが目印となり、このラインとダイオードののラインを合わせるようにします。
<リードタイプの場合>
向きに注意しながらPCBの裏面からリードをスルーホールへ通し、マスキングテープを張り付け、表面からはんだ付けします。
はんだ付けが終わったあと、リード部分はニッパーで切り取ってください。
<SMD(表面実装)タイプの場合>
SMDタイプの場合はあらかじめパッドの片側に予備はんだを行います。予備はんだを熱しながらピンセットでダイオードを近づけはんだごてを話してはんだ付けします。
反対側は通常通りにはんだ付けします。すべてのダイオードをはんだ付けしてください。
④キースイッチのはんだ付け(前半11個)
続いてキースイッチのはんだ付けを行いますが、この工程では13個中11個のみはんだ付けします。すべてのスイッチをはんだ付けしないよう注意してください。
はんだ付けしないスイッチはマイコンの左右のスイッチとなります。次の写真のように、あらかじめマスキングテープではんだ付けしないスイッチを塞いでしまうようにしましょう。
Ambi10はプレートレスとなっているため装着するスイッチは、5ピンのものを推奨します。
表面からスイッチを差し込み、マスキングテープで固定し、裏面からはんだ付けします。
同じ要領でマスキングテープで塞いだところを除く11個のスイッチをはんだ付けをしてください。
⑤XIAO RP2040のはんだ付け
XIAO RP2040に付属しているピンヘッダを裏面からPCBへ差し込みます。
ピンヘッダにXIAO RP2040を差し込みます。写真のように”BOOT”ボタンが上にくるようにしてください。
きちんと差し込まれていることを確認し、XIAO RP2040とピンヘッダをはんだ付けします。
その後、ひっくり返してPCBとピンヘッダをはんだ付けします。
⑥キースイッチのはんだ付け(後半2個)
前半と同じ手順で残りの2個のスイッチを取り付けます。
⑦動作確認
USBケーブルを差し込み、動作を確認します。すべてLEDが点灯し、キースイッチが反応していればOKです。
もしLEDが点灯しない場合、下記について順に確認してみてください。
・はんだの量が足りていない、または多すぎて隣と接合している → はんだごてやはんだ吸い取り線を使いはんだの量を調整してください。
・LEDの取り付け向きが誤っている。 → はんだ吸い取り線を使い、慎重にはんだを除去してから向きを正しく取り付け直し、はんだ付けしてください
なお、LEDはシリアル接続されていますので、点灯しないLEDがあると、その後に続くLEDはすべて点灯しないことになります。
もしスイッチが反応しない場合、下記について順に確認してみてください。
・ダイオードやホットスワップソケットのはんだづけがうまくできていない → はんだを少し足して(はんだづけして)動作確認してみてください
・ダイオードの向きが反対 → ダイオードのはんだをはんだ吸い取り線で除去し、予備のダイオードを正しい向きに取り付け、はんだ付けしてください
⑧キーキャップ、ケースの装着
あとはお好みのキーキャップ、ケースを取り付ければ完成です。
3.仕様
Ambi10のLED、カスタムキーコードの仕様について記載します。
3-1.LEDアニメーション
次のアニメーションがセットされています。
- STATIC_LIGHT
- BREATHING
- RAINBOW_MOOD
- RAINBOW_SWIRL
- SNAKE
- KNIGHT
- CHRISTMAS
LEDアニメーションはRGB関係のキーで変更できます。デフォルトキーマップではLayer3に”RGB_TOG(オン/オフ)”、”RGB_MOD(次のアニメーションへ)”、”RGB_RMOD(前のアニメーションへ)”、”RGB_HUI(次の色相へ)”、”RGB_HUD(前の色相へ)”を登録しています。
3-2.LEDインジケータ
レイヤーオン、CapsLock、NumLock状態のときLEDがカッコの中の色に変わります。
- Layer1(赤)
- Layer2(青)
- Layer3(緑)
- CapsLock(黄)
- NumLock(マゼンタ)
3-3.カスタムキーコード
Ambi10はタップダンスに対応しており、以下のカスタムキーコードが使用できます。デフォルトキーマップでは、これらはLayer1にあります。
- [0x5700]1回タップで「.」ドット、2回タップで「:」セミコロン
- [0x5701]1回タップで「+」プラス、2回タップで「*」アスタリスク
- [0x5702]1回タップで「-」マイナス、2回タップで「/」スラッシュ
REMAPでは別のレイヤーやスイッチに割り当てたい場合は、カスタムキーコードから手入力して登録してください。
おわりに
ビルドガイドは以上です。大変お疲れ様でした!
ぜひいろいろなキーマップを試してご自身の最高の1台に仕上げて楽しんでいただけたら幸いです。
最後に、気が向いた方は、完成した"Ambi10"をTwiiterで見せていただけると、作者として大変うれしく思います。(ハッシュタグは#Ambi10でお願いします!)