"Telles-GL"ビルドガイド

はじめに

ご覧いただきありがとうございます。こちらは自作キーボードキット"Telles-GL"のビルドガイドです。

Ambi-GLはサリチル酸(@Salicylic_acid3)さんが設計された”GL516ケース"に対応したキーボードとなっていますので、GL516基盤の汎用ビルドガイドを参照する形でまとめております。

(ご注意)
現在はトラックボールモジュール対応のファームウェアは公開しておりません。QMK 0.19以降で対応していくつもりですが、時期は未定です。

更新履歴

2023/1/2 初版公開

0.組み立前に

  • 本自作キーボードははんだごてを使用して制作します。はんだごての小手先は高温になり、やけどや火事の原因になりかねませんので取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
  • 作成の前に、当ビルドガイドに一通り目を通していただき、必要な物が充足しているかや作業順序についてお確かめください。
  • 作成には数時間掛かります。時間に余裕をもってお取り掛かりください。

1.キット内容の確認

キットに含まれるもの

トッププレート 1個
PCB 1個
ボトムプレート 1個

スペーサー 19mm 2本
スペーサー 10mm 4本
スペーサー 8mm 2本
M2ねじ 4mm 12本

別途ご用意いただくもの

以下はキットに含まれていない部品となります。自作キーボードを取り扱うショップなどで購入可能です。

なお、以下はキット標準の”TKL(テンキーレス)”レイアウトの場合となります。他のレイアウトはキー数が変わりますので、数に合わせて部品をご用意ください。

【キーボード部品】
お好みのキースイッチ 64個(Cherry MX互換のもの)
お好みのキーキャップ 64個
ホットスワップソケット 64個
ProMicro 1個(ProMicroに付属するピンヘッダーを使用します/コンスルーピンヘッダには対応していません)
ピンソケット(13P) 2個
MicroUSBケーブル 1個
リセットスイッチ 1個
LED SK6812MINI-E(オプション) 2個

--GL516ケースご利用の場合--
パネルマウントケーブル 1個

--テンキーレイアウトの場合--
お好みのキースイッチ 64個(Cherry MX互換のもの)
お好みのキーキャップ 64個
ホットスワップソケット 64個

--大型エンコーダレイアウトの場合--
ロータリーエンコーダ 1個
ノブ 直径3mm~4mm 1個

--トラックボールモジュールの場合--
aki27さんのトラックボールモジュール 1個
トラックボールモジュールを取り付ける場合は次の部品も必要です
 ピンソケット(5P) 1個 
 ピンヘッダ(5P) 1個 
 スペーサー(6mm) 4個 ※長さはピンソケットの太さに依存します
 M2ねじ(4mm前後) 8個
 OLED(オプション) 1個
 5Pのピンソケットやピンヘッダは、20Pのものをニッパーでカットしても大丈夫です。

【組み立て工具等】
マスキングテープ
はんだごて ※温度調節可能なものがベターです
はんだ ※鉛フリーではないものを推奨します
はんだこて台
はんだ吸い取り線 ※はんだ付けを失敗した場合にはんだを取り除くのに使用します
ニッパー ※ピンソケットのはみ出た部分をカットするために使用します
ピンセット ※ホットスワップソケットのはんだ付けで使用します
ドライバー ※M2ねじの規格に合うもの

2.組み立て

汎用ビルドガイドについて

GL516互換PCB向けに共通ビルドガイドが公開されています。こちらにはPCBだけでなく、ケースやバックプレートなどの説明もあります。

zenn.dev

Telles-GLビルドガイドでは組み立て手順や注意事項を記載し、詳細手順は共通ビルドガイドを参照するという形式とさせていただきます。ただし、共通ビルドガイドにない手順は本ビルドガイドに詳細手順を記載します。

組み立て手順

Telles-GLは下記の順序での組み立てを推奨いたします。なお、ここからGL516互換PCB共通ビルドガイドのリンクがありますので、具体的な作業内容はリンクをご参照ください。

ホットスワップソケットのはんだ付け

🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

②ピンソケットのはんだ付け

🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

③ピンヘッダのはんだ付け

🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

④リセットスイッチのはんだ付け

🪛部品のハンダ付けpart2|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

ファームウェア書き込み

🖥ファームウェアの書き込み|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

REMAPでのファームウェア書き込みに対応しています。REMAPではファームウェア書き込みは”カタログ”から行います。カタログでは”telles”と入れて検索してください。
*現時点のREMAPに対応した、QMK Firmware 0.18.xxのファームウェアを公開しております。
トラックボールモジュール対応のファームウェアは現在公開しておりません。

REMAPへ接続後、はじめに使用するレイアウトへ変更してください。

⑥LEDのはんだ付け(オプション)

🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

◆ポイント
LEDの向きは、LEDのライトは表面を照らすように、GNDに切り欠けが来るようにしてください。

LEDは初期状態では赤色に点灯します。もし点灯しない場合、下記について順に確認してみてください。なお、シリアル接続されていますので、一つのLEDが点灯しない場合は後続のLEDも点灯しないことになります。

・はんだの量が足りていない、または多すぎて隣と接合している → はんだごてやはんだ吸い取り線を使いはんだの量を調整してください。

・LEDの取り付け向きが誤っている。 → はんだ吸い取り線を使い、慎重にはんだを除去してから向きを正しく取り付け直し、はんだ付けしてください

⑦ロータリーエンコーダのはんだ付け(ロータリーエンコーダを使用する場合のオプション)

🪛部品のハンダ付けpart1|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

⑧OLEDのはんだ付け(トラックボールモジュールを使用する場合のオプション)

※下記はAmbi-GLのPCBの写真ですが、同じ手順となります。
OLEDのソケットをPCBの表面から差し込み、ソケットがななめにならないように注意してマスキングテープで固定します。その後、PCB裏面からはんだ付けします。

OLED本体は、付属しているピンを裏から差し込み、表面からはんだ付けします。はんだ付けの際、ピンを先ほどはんだ付けしたソケットに差し込むことで固定しやすくなります。OLEDが上下や前後にななめにならように注意してください。

トラックボールモジュールのはんだ付け(トラックボールモジュールを使用する場合のオプション)

※下記はAmbi-GLのPCBの写真ですが、同じ手順となります。
aki27(@aki27kbd)さんが設計された”トラックボールモジュール”をAmbi-GLへ搭載する手順です。

PCBの中央に5ピンのスルーホールがあるので、そちらへソケットを差し込み、マスキングテープで固定して、裏面からはんだ付けします。私の場合ソケットは、20Pのピンソケットを購入し、ニッパーでカットして用意しました。

トラックボールの基盤にはピンヘッダをはんだ付けします。(あらかじめトラックボール基板を名刺基板から切り取り、やすりがけしてバリをとってください)

ソケット同様、20Pのピンヘッダを購入し、ニッパーでカットして用意しました。

はんだ付けの後、トラックボール基板にボールケースを取り付け、裏に6mmのスペーサー(PCBソケットの太さによって変わります)を取り付け、ねじで固定します。

トラックボールモジュールのピンをPCBのソケットへ差し込み、裏からねじ留めします。

ファームウェアトラックボールモジュール用がありますのでREMAPから焼いてご使用ください

⑩スイッチの取り付け

🪛スイッチとスタビライザーの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

◆ポイント
スイッチの取り付けが終わったら、テストをしてみましょう。

🖥ファームウェアの書き込み|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

TestMatrixModeで色が変わらない場合はキーが認識されていないことになります。だいたいは以下のパターンに該当しますので上から順に確認してみてください。

・キースイッチのピンが曲がっている → 一度キースイッチを抜きピンを真っ直ぐに直してから差し込み直してください

・キースイッチの不良 → 別のキースイッチで入力できるかを確認してみてください

ホットスワップソケットのはんだづけがうまくできていない → はんだを少し足して(はんだづけして)動作確認してみてください

⑪ケースへの取り付け(GL516ケースまたはボトムプレート)

--GL516ケースの場合--

🪛ケースへの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

--付属のボトムプレートの場合--
ボトムプレートをチョコを割るような感じで切り離します。切り離した後、ペンチなどで片方に残った片を切り取り、やすりで断面を整えます。

下記の写真にしたがって、スペーサーをねじで取り付けます。

2つのボトムプレートの一部が重なるようにして8mmスペーサーをねじで留めます。

最後にトッププレートをねじ留めして完了です。

⑫キーキャップの装着

🪛ケースへの取り付け|GL516 互換PCB共通ビルドガイド

お好みのキーキャップを取り付けて完成です!

3.仕様

Telles-GLのLEDやOLED、カスタムキーコードの仕様について記載します。

3-1.LEDアニメーション

次のアニメーションがセットされています。カッコの中はアニメーションの連番でOLEDに表示しています。

  • STATIC_LIGHT(1)
  • BREATHING(2~5)
  • RAINBOW_MOOD(6~8)
  • RAINBOW_SWIRL(9~14)
  • STATIC_GRADIENT(15~24)
  • TWINKLE(25~30)
  • OFF(0)

LEDアニメーションはRGB関係のキーで変更できます。デフォルトキーマップではLayer1に”RGB_TOG(オン/オフ)”、”RGB_MOD(次のアニメーションへ)”、”RGB_RMOD(前のアニメーションへ)”、”RGB_HUI(次の色相へ)”、”RGB_HUD(前の色相へ)”を登録しています。

Hue図。QMKドキュメントサイトより引用 (https://docs.qmk.fm/#/feature_rgblight
3-2.LEDインジケータ

レイヤーオン、CapsLock、NumLock状態のときLEDがカッコの中の色に変わります。

  • Layer1(赤)
  • Layer2(青)
  • Layer3(緑)
  • CapsLock(黄)
  • NumLock(マゼンタ)

3-3.OLED

トラックボールモジュールへ対応するときに更新します)

3-4.カスタムキーコード

①cocot制御関係

トラックボールモジュールへ対応するときに更新します)

②タップダンス

以下のカスタムキーコードが使用できます。テンキーレイアウトで使うと便利です。

[0x5700]1回タップで「.」ドット、2回タップで「:」セミコロン
[0x5701]1回タップで「+」プラス、2回タップで「*」アスタリスク
[0x5702]1回タップで「-」マイナス、2回タップで「/」スラッシュ
REMAPで上記のカスタムキーコードを登録することで使用可能となります。

3-5.エンコーダの設定

REMAPで、ロータリーエンコーダのレイアウトを選択すると、エンコーダの左右のクロックとプッシュ時の動作を設定できます。

おわりに

Telles-GLのビルドガイドは以上です。大変お疲れ様でした!

ぜひいろいろなキーマップを試してご自身の最高の1台に仕上げて楽しんでいただけたら幸いです。

最後に、気が向いた方は、完成した"Telles-GL"をTwiiterで見せていただけると、作者として大変うれしく思います。(ハッシュタグは#TellesGLでお願いします!)